ジューンベリーってご存じですか?
ザイフリボク属は、北アメリカを中心にアジアとヨーロッパに約10種が分布し、日本にはザイフリボク(Amelanchier asiatica)が自生しています。
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-227
ジューンベリーは近年人気の高い花木で、葉が完全に展葉する前に白い花を数多く咲かせます。花以外にも、初夏にたわわに実る果実や、秋の紅葉、美しい樹形と、四季を通じて楽しむことができます。
日本でも果樹、鑑賞木として人気があります。
私が中古住宅を購入した際に、オーナーが20年前に自宅のシンボルとして植えた小さな苗木は、2階に達するほどの大木となり毎年たわわにジューンベリーを実らせます。
ジューンベリーはその名の通り6月(日本では5月中旬頃~)赤い実をつけます。
丸いかわいらしい葉っぱとのコントラストが見事で、また、鳥がよく活動する時期ですのでお庭にたくさんの鳥が遊びに来ます。
鑑賞木としても価値が高いジューンベリーですが、ご当地アメリカでは栄養価の高いフルーツとして利用されているそうです。私も最初は、この木は食用にするために植えたのかな?と思っていたのですが、どうも食用にはされなかったようです。御蔭で大樹となり、存分に利用することが出来ます。
さて、2023年は計量したところ、1374gの赤い実が採れました
※高木のため、採れるのはごく一部です。
今回は、この実を活用したジャムづくりのご紹介です。
『ジューンベリージャムのレシピ』
材料(配合比率)
- ジューンベリー(皮、種つき) 100g
- グラニュー糖 75g
- ホワイトリカー 25g
- レモン汁 5g(小さじ1)
作り方
- 完熟した綺麗なジューンベリーを用意。よく水洗いし、水気をキッチンペーパー等でとる。
- ジューンベリーにグラニュー糖1/3を加え、10~15分間、室温で置く。
- 2をホーロー鍋に移し、ホワイトリカー全量を加え火にかける。鍋に焦げ付かないように、ゴムベラで絶えず攪拌する。
- 沸騰したら弱火にし、さらにグラニュー糖1/3を加え、10分間程度攪拌をしながら煮詰める。
- とろみが出てきたら残りのグラニュー糖全量(1/3量)とレモン汁を加え、攪拌し煮詰めながら濃縮してゆく。※可能であれば糖度計などの濃度判定で示度65%前後を確認すると、保存食として安全性が高まります。
- 煮詰まったジャムを漉し器で裏ごしする。裏ごししたジャムは再度火にかけ殺菌する。
- 清潔に保った保存瓶を10分間煮沸消毒する(工程1~6と同時に進められるとよいでしょう)
- ジャムを肉詰めし、蓋を締め切らずに軽く開けて湯浴につけます。弱火で沸騰させながら10分間脱気する。
- 蓋をしっかり密封して湯浴にて殺菌する。
- 湯浴の加熱をとめ、自然放冷でゆっくりと冷ます。
保存食としてのレシピですので、流行りの低糖度ジャムのような新鮮なフルーツ感は得られませんが、示度65度前後の糖分だと室温で未開封の場合、2~3年程度保存するとされています。
豆知識ですが、
ジャムは果実中のペクチンを凝固性を利用しています。ペクチンの構造はガラクツロン酸のカルボキシル基の一部がメチルエステル化され、メトキシル基になっているものが含まれますが、この化学状態のペクチン含量が7%以上のものを高メトキシルペクチンと呼び、ジャムのゼリー化に関連するのはこの高メトキシルペクチンです。
何が言いたいかといいますと、高メトキシルペクチンは成熟果に含まれ、未熟化にはプロトペクチン、過熟果にはペクチン酸やガラクツロン酸が多い(これらの化合物はプロトペクチナーゼ、ペクチンエストラーゼ、ペクチナーゼなどの酵素反応によって生成され、果実の成熟が進みます)のでジャムづくりには適しません。
ジャムを作りたいときは、熟れてないものや熟れすぎた果実は避けましょうね、ということです。
さてさて、私の庭のジューンベリーの木からは、内容量80gの瓶詰製品が合計13個取れました。
ですので、80g×13個で1040g、すなわち1kgのジャムができましたよ!ということですね。
欲張れば脚立を駆使してもっとたくさんのジャムが作れたのでしょうけども、私の取り分1/3、鳥さんの取り分1/3、自然に還る取り分1/3、といったところでしょう。足る分だけで充分です。
余談ですが、種を濾して除去したあとの残渣、捨てないで活用しましょう!
シロップとして煮詰めてろ過すれば、ジューンベリーシロップの出来上がりです。炭酸で割るとさわやかな初夏のジュースの出来上がりです。ぜひお試しください。